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圧倒的な強さを手に入れるプリズナートレーニング

プリズナートレーニングとは?

プリズナートレーニングというトレーニング方法をご存知だろうか?

本の表紙に極悪、かつ、筋肉モリモリのおじさんが描かれたセンセーショナルなタイトルの筋トレの本である。
筋トレといってもマシンを使うトレーニング、ダンベルなどのフリーウエイトを使うトレーニングと様々であるが、これは、自分の体重を使った、つまり自重筋トレの本だ。とにかくAmazonでの評価がハンパない。

評価が300個以上もついており、点数も5に限りなく近い。コメント欄には自衛隊で16年、外人部隊で7年という猛者もいて、そういった人でさえ、このトレーニングをするようになってから、どんな過酷な労働条件でも平気になったというのだから、凄すぎる。

昔から、筋トレには少しだけ興味があり、一時期はウエイトトレーニング愛好家に絶大な人気を誇るゴールドジムへも通ったことがある。しかし、ベンチプレスでウエイトを降ろすのを失敗してしまい、腕の骨を折ってしまった。

それから、ジム通いは怖くなりトレーニングを中断していたのだが、そうかといって何もしなければ筋力もドンドン低下してしまうので、Amazonで評価の高かったこのプリズナートレーニングという本を買ってみた次第である。

実を言えば、この本を買うまでは、自重トレーニングよりもウエイトトレーニングのほうが、はるかに効果があると思っていた。

というのは、腹筋や腕立て伏せは高校生の時に散々やったが、それで筋肉モリモリになったという実感がなかったからだ。

しかし、この本を読んで、高校生の時に散々トレーニングをしたのに筋肉モリモリにならなかった理由がよく分かった。

自重トレーニングにしろ、ウエイトトレーニングにしろ、適切なやり方で実施すれば、どちらも効果がある。
そして、自重トレーニングのほうが設備を必要とせず、かつ、自宅でできるため、継続しやすい。

少しずつ負荷を増やして、長年継続すれば、圧倒的な強さが手に入るということだ。
高校生の時に筋肉モリモリにならなかったのは回数だけ増やして、負荷を増やさなかったからだ。
この場合には、持久力はつくが、筋肉の肥大は期待できない。

超回復理論とは?

筋トレで重要な考え方のひとつに超回復という理論がある。
トレーニングや練習を行うことによって筋線維が損傷を受ける。これによって、一時的に体力は低下するが、その後、適切な休息をとることで筋肉は、損傷を受ける前の状態よりもさらに大きく肥大化していくという理論だ。

つまり、田中さんであろうが、佐藤さんであろうが、誰でも、この超回復の理論にとってトレーニングしさえすれば、次第に筋力はついてくる。しかも、年齢に関係なく筋肉の発達が期待できる。もちろん、20代と50代では筋肉の回復力などでは差が出てくるだろうし、ある一定レベルに達すれば、それ以上発達しないポイントも出てくるであろう。ただ、一般人であれば、50歳を過ぎてからトレーニングをしても効果がある。実際、私がこのトレーニングをはじめたのは、もう56歳になろうという時期からだ。

プリズナートレーニングのトレーニング内容

トレーニング内容

トレーニング種目

さて、具体的には、どんなトレーニングなのか?
トレーニングは大きく分けると6種類のトレーニングから構成されている。

1. 腕立て伏せ
2. 腹筋
3. スクワット
4. 懸垂
5. ブリッジ
6. 逆立ち

そして、各トレーニングはそれぞれ10ステップに細かく分けられており、ステップ1をクリアすれば、次のステップ2に進むというものだ。

例えば、腕立て伏せを例にとれば、ステップ1では、一般的な地面に手をついて行うという腕立て伏せよりも、もっと負荷の少ないトレーニングから行う。

具体的には壁から30cmほど離れて立ち、壁に手をつく。
こうすれば、腕を曲げたときに、20度くらいの傾斜がつく。この状態での腕立て伏せを20回×1セットだけを行う。
このレベルであれば、怪我をしている人以外は誰でもできるだろう。
そして、毎回、少しずつ回数を増やしていき、50回×3セットができるようになれば、ステップ2に進むというやり方だ。

ステップ2では、腰くらいの高さの机に手をついて腕立て伏せを行う。
これで地面と体の角度は45度くらいになる。

ステップ3では、膝をついた状態で腕立て伏せを行う。
これで地面と体の角度は30度くらいになる

そして、ステップ5でようやく通常の腕立て伏せに進む。
というくらいの超ゆっくりしたスペースだ。

私も最初に本を読んだ時は、こんなペースで本当に筋肉がつくのかと思った。しかし、このやり方で超回復の理論に沿ったトレーニングをしていけば、ほんの少しずつではあるが、確実に筋肉が大きくなるはずである。

実際、YシャツやTシャツが小さくなっている(もちろん、私の体が大きくなっているから、そのように感じる)のが、1か月程度のトレーニングで実感するようになっていった。

女性にもオススメのプリズナートレーニング

通常のトレーニングと少し異なっているなと感じているところは、トレーニング種目にブリッジが入っていること。
また、腹筋は通常の上体起こしではなく、レッグレイズ、つまり、足を上げて腹筋を鍛える方法になっている点だ。

ちなみに、うちの娘は腕の力は、とても弱く、懸垂どころか、普通の腕立て伏せもできない。
だから、とても力が弱いと思っていた。しかし、クラシックバレエをやっていた関係で腹筋から下の筋肉はとても発達していたようだ。

男性でも難しいハンギング・レッグレイズ、これは腹筋種目のステップ10にあたるトレーニング種目であるが、このハンギング・レッグレイズが15回程度できる。

また、同様に、非常に体が柔らかく、やはりブリッジの10段階目であるスタンド・トゥ・スタンド・ブリッジが楽々できる。それも膝を全く曲げない状態で。

スタンド・トゥ・スタンド・ブリッジというのは立った状態から後ろに体を反らせていき、床に手をつき、再び、元の状態にまで戻ってくるブリッジのことを言う。体の柔軟性に加えて、かなりの背筋も必要となる。

そういえば、通常、ジムでブリッジをしている人を見たことがないが、ブリッジで体を反らせたり、背筋を鍛えるということは全身強化の観点からも、また、美しい姿勢を保つという観点からも理に適っているように思える。

特に、娘はファッションモデルをしているが、娘の体形を見ていると、ブリッジやレッグレイズは、特に、女性が理想のプロポーションを保つうえで最適なトレーニングなのではないかと思う。

トレーニングにかかる時間

トレーニングにかかる時間だが、週に5日間、1回15分~20分間程度のペースで、毎回3種目ずつのトレーニングを行った。

トレーニング記録表

今、使っているトレーニングの記録表が以下の通りだ。

自宅でトレーニングするから、Excelで表を作成し、パソコンに入力している。パソコンよりもスマホが良ければ、スマホで管理してもいいだろう。

プリズナートレーニングを実施するうえで必要な器具

さて、プリズナートレーニングを実施するうえで必要な器具はどんなものがあるだろうか?また、トレーニングを始めるにあたって、どの程度の費用が必要だろうか?
以下に最低限必要な道具とあったほうがベターな道具を記入する。

最低限必要な道具

  • プリズナートレーニングの本(2,000円+消費税)
    道具というわけではないが、トレーニングの内容をしっかりと理解するために最低限この本は買いましょう。

あったほうがベターな道具

プリズナートレーニングは自重トレーニングなので、それほどトレーニングマシンやウエイトを必要としないのだが、あったほうがいい器具として、以下のものがある。

  • 懸垂台、もしくは、懸垂バー
    トレーニングに懸垂が入っているため、懸垂台があったほうがいい。もしくは、最近では、ドアの上部にセッティングできる懸垂バーも3,000円程度で売っているため、しっかりしたドアがある建物ならば、懸垂バーでもOK。
    私の家は古い木造建築だったので、懸垂バーの設置は難しそうだったので、Amazonで懸垂台を1万円ほどで購入した。

    なお、懸垂台はハンギング・レッグレイズという腹筋のステップ10のトレーニングでも利用。
    ハンギング・レッグノイズとは鉄棒や懸垂台につかまり、そこから足を伸ばしたままで90度の位置にまで上げること。体操選手が吊り輪で足を持ち上げているのと似たような形を想像してもらえばいい。

    さて、懸垂台だが、ステップ1やステップ2では必須というわけでもない。また、近くに公園や鉄棒があるのであれば、懸垂の練習をする時だけ公園に行ってもいい。

    まずは、特別な器具を購入せずに、1,2か月程度プリズナートレーニングを行い、気に入れば、懸垂台や懸垂バーの購入をすればいいだろう。

  • バスケットボール・テニスボール
    こちらも必須ではないが、トレーニングの補助に使う。
    例えば、ハーフ腕立て伏せをする場合には、胸の下にバスケットボールを入れ、胸がバスケットボールに触る位置まで腕を曲げる。一般的な腕立て伏せをする場合には、バスケットボールの代わりにテニスボールを使用する。といった具合だ。
    当然、他のものでも代用可能だ。

そういうわけで全ての道具を揃えてもプリズナートレーニングの本2,200円+懸垂台10,000円+バスケットボール2,200円+テニスボール100円=15,000円だ。

もし、ジムに毎月10,000円支払って、3年間通うとすれば、合計360,000円もかかるが、それがわずか15,000円で実現できてしまう。

プリズナートレーニングは本当に効果があるのか?

自重トレーニングでもウエイトトレーニングと同等の負荷がかけられる?

このやり方だけで、本当に、素晴らしい筋肉が獲得できるのか疑問に思われる方もいるだろう。
確かに、私も、まだ3か月しかトレーニングしていないので確約はできないのだが、ステップ10まで行けば片腕懸垂や片腕での腕立て伏せといったトレーニング種目となる。
私は、ジムへ行っても、片腕で楽々懸垂している人は、見たことがない。みなさんはいかがであろうか?

例えば、背中を鍛えるトレーニングでラットプルダウンというトレーニング方法がある。
バーを上から下へ引っ張り下げるというトレーニング方法だが、私の場合、約50Kg程度でトレーニングをしていた。恐らく50歳過ぎの一般男性のごく平均的な重量だったと思う。
ジムでも100kg以上でトレーニングしている人はかなり体格のいい男性の中でもごく少数だったように思う。

自重トレーニングで同じような種目となれば、懸垂だが、体重60Kgの人が、もし、片腕懸垂ができるのであれば、ラットプルダウンで120kg以上引っ張れるということとなる。
もし、60kg程度の男性が自分の120kgものウエイトを引っ張りあげていれば驚異的である。

誰もが、片腕懸垂ができるレベルまで上達できるとは思えないが、自重トレーニングであっても十二分な負荷が掛けられることが分かる。

話は変わるがラグビーワールドカップの南アフリカ代表のスクラムハーフのデクラーク選手やウィングのコルビ選手は身長が170cm程度しかないのに、200cmほどもある巨漢選手に果敢にタックルに行き、そして前進を止めていた。恐らく彼ら程度の筋力があれば、片腕懸垂も楽々できるだろうと思って、試合を見ていた。

まずは、2,3か月、このトレーニングを継続してみることをオススメする。
自分に合わないと感じれば、ストップすればいいし、効果を実感できるようであれば、3年間を目標にトレーニングを継続すればいい。

プリズナートレーニングを続けるにあたって大切なポイント

プリズナートレーニングを続けるにあたっては、大切なポイントが三つある。

記録をつける

まず、第一に、毎回、記録をつけるということ。
これをしなければ、負荷や回数を増やそうとしても分からない。
少々、面倒でも毎回記録をつけるのは必須だ。

トレーニングの負荷・回数を増やす

第二に、毎回、負荷、もしくは、回数を増やしていくということだ。
こうして、トレーニングを継続すれば、後は、何も考えなくても自分の肉体が勝手に超回復の理論に基づいて、筋肉を肥大化させてくれる。

無理をしない

そして、第三に重要なことは、無理をせずに、ゆっくりと自分のペースでトレーニングの負荷を増やしていくことである。
どうしてもジムに通うと周りの目が気になり、必死でトレーニングをしてしまう。これだと余程のトレーニングオタクは別として、一般の人は次第にジムへ行くのが億劫になってしまう。

それが自宅でトレーニングするのであれば、自分のペースで無理なくできる。仕事が忙しい時期であれば、無理に毎日実施する必要もない。そして、3年間くらいかけてステップ10を目指すようにする。

全てのトレーニング種目でステップ10まで到達することは難しいかもしれないが、ステップ5や6当たりでもほとんどの人にとっては十分な効果が感じられるだろう。

3年間で肉体改造すると考えるならば、それほど無理をする必要はない。
各種目は10ステップに分かれているが、各1ステップに3か月かけたとしても、30カ月、つまり2年半で10ステップに到達できる計算となる。

プリズナートレーニングの様々なメリット

さて、費用面以外でもプリズナートレーニングは様々なメリットがある。

継続しやすい

まず、ひとつが継続しやすいというメリットである。
ジムに通ったが、半年程度で止めてしまったという経験を持っている人も多いだろう。私も何度もそんな経験を繰り返した。
ジム通いをすると、せっかくお金を払っているのだからと考え、早く上達したくなり、どうしても自分にとってはハードルの高いトレーニングにチャレンジしたくなる。しかし、一方、これがストレスになり、次第にジムへ行く頻度が少なくなる。

また、やはりジムへ行くとなると、往復の時間に加えて、トレーニング前後の着替えの時間も必要になる。また、1回当たりのトレーニング時間も1時間程度は必要となるだろう。

それが、プリズナートレーニングであれば、いつでも、自分の好きな時に自宅でトレーニングができる。しかも、トレーニングに必要な時間は、わずか15分~20分程度。これなら、誰でも比較的無理なく続けやすい。

安全

二番目のメリットが安全ということである。
フリーウエイトでトレーニングをする場合の危険性というのは頭では理解していたが、実際に、ベンチプレスで骨を折るとは思っていなかった。

しばらくトレーニングに行っていなかったので、いつもより軽めの重量でトレーニングをしたのだが、ベンチプレスでえぃっとバーベルを上げた際に、バーベルを上げすぎてしまい、バーベルが頭よりも後ろの位置に行ってしまった。
慌ててバーベルを元の位置に戻そうとしたために無理な力が骨に加わってしまい、一瞬で骨が折れてしまった。

フリーウエイトの場合、こういった危険性があるとは聞いていたのだが、実際に自分の身に起こるまで、怪我をするメカニズムをよく理解していなかった。
腕立て伏せや腹筋、懸垂なら、ここまで無理な力が急激に入るケースは、ほとんどないと言っていいだろう。
それに、他人の目を気にすることなく、自分のペースで練習可能である。

自信がつく

また、肉体改造だけでなく、肉体改造を行う過程で、自分のセルフイメージの改善が図れ、とにかく自分に対して自信がつくという心理的な効果も大きいだろう。

なお、心理的な効果については、「筋トレが最強のソリューションである」(Testosterone著)の一読をオススメする。具体的なトレーニング方法などは一切書いていない、珍しい筋トレの本であるが、この本を読むと筋トレがやりたくなることだけは間違いない。

そんなわけで、ぜひプリズナートレーニングを毎日の生活取り入れてみませんか?
3年間で男性ならば、圧倒的な強さ、女性ならば、みんなが振り返るようなスタイルが手に入るでしょう。