うつ病の友人


ここ10年近く、うつ病で苦しんでいる友人がいる。

3年前に会社も辞め、現在は、毎日うつ病患者の治療センターに通っている。

重度のうつ病ということで、障害2級に認定され、毎月12万円以上の障害年金をもらっている。また、治療センターに通えば、ランチも無料で支給されるという。

だから、全く何もしなくても、問題なく生きていけるわけであるが、もちろん、社会復帰したいに違いない。

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そう思って、彼のうつを治そうとした。

まずは、昔の仲間を集めて、彼を焼肉に連れ出した。数年ぶりに飲んだが、とても元気で、人一倍ビールやワインを飲んでいた。

いきなり勤めるのは無理だと思って、私が一時やっていたヤフオクへの出品を手伝わせた。セールに出かけて、家電商品の転売も手伝わせた。

しかし、一日目は、どうにか手伝うのだが、二日目になると、「面倒くさい」「梱包が大変」「もう、いやだ」と言って、使い物にならなくなる。

うつ病対策と言っても、薬を飲んでいるだけなので、効果があると思われる丹田強化法やウエイトトレーニングをやろうと言っても「面倒くさい」と言ってやらない。

毎日数時間トレーニングするわけではないし、毎日、時間はたっぷりあるから30分程度のトレーニングはなんの負担にもならないと思うのだが、それでも面倒くさいようだ。

好きなことは、TVを見たり、新聞を読むこと。特に、企業の不祥事は大好きで、やけに詳しい事情を知っている。また、ビールを飲むのは大好きで、私が知らないうちに缶ビールを7,8本飲んでいる。これで楽しいのだろうか?と思ってしまう。

ただ、考えて見れば、それは、私の価値基準から判断しているだけかもしれない。

働かないでも、毎日、何不自由のない生活ができる。

自由時間はたっぷりある。というか、ずーっと自由時間である。TVを見るのも、新聞を読むのも自由である。そういう意味では、自由で、これが、彼が選んだ楽しみなのかもしれない。

引き寄せの法則によれば、友人が苦しんでいるのに焦点を当ててはいけない。そうすると、自分にも、苦しみを引き寄せるという。

彼がビールを飲んで楽しそうにしているところをイメージしておくこととしよう。

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